beach storyのお話 story.40 再び久米島へ

beach storyのお話 story.40  再び久米島へ


ある日、ゆきちゃんが

ゆきちゃん:「よしさん、ここらで久米島に

       行ってきたらどうです?」

       ここオープンしてから、まだ

       1度も行ってないんですよね?


俺    :「まぁなかなか行くタイミングないね、

       ふらっと行ってくるにはちょっと遠い

       からな本当はいつでも行きたいけどね


ゆきちゃん:「じゃ、ここはちょっと任せて行って

       きてください👍彼のお墓参りで会いに

       行って来てくださいよ!


俺    :「………


ゆきちゃん:「あれ💦任せるの不安です😅

      「かっこよく決めたつもりだったんですが😱


俺    :「はっきり言って俺ちょー不安😓


ゆきちゃん:「えーっ!?ショック~😭

      2日くらいマジ余裕っすよ、マジで😥

俺    :「う~ん、なら、ここは任せて行かせて

       もらおうかな?本当にいいんかい?


ゆきちゃん:「大丈夫っす👍任せてください😜


と、こんな感じで話がとんとんと進み、

俺は数年ぶりに久米島まで行く事になった。


そして数日後、予定通り久米島に無事到着した。

4年ぶりの久米島だ。お店を出す数ヶ月前に

一度手を合わせにきた。

相変わらずとてもしずかで空気が澄んでる。


目的はいっ君のお墓参りとお世話になった

マスターやマネージャー達に挨拶だけだ。

観光をする気は毛頭なかった。


それは嫁ちゃんとも承諾済み。

嫁ちゃんも一緒に久米島に連れて

来たのはこれが初めてだ。


前々から久米島には行きたいとは

行っていたけど、連れてくる事が

出来なかったんだよね。

あれから俺は何度か、いっ君のお墓参りには

来ているが、久米島を訪れるのは毎度複雑な

気分だ。相変わらずまだ引きずってるんだな。


久米島には来る理由は、

いっ君のお墓参りと世話になった

マスターやマネージャー達、そして久米島に

感謝をするだけ。それ以外に遊びを取り入れた

として、本来の目的をぶれさせたくなかったからだ。

だから、今回も久米島に遊びに来たのではなく、

あくまで俺の妻として、共に今を感謝し、いっ君の

お墓参りをするという約束で一緒に来る事にした。


冷たい言い方だったかもしれないけど間違っても

楽しみなんて思わないで、ウキウキ南国旅行とは

思ってほしくなかったんだよね。

それなら俺抜きで、久米島に勝手に行って楽しんで

きてくれればいいだけの話だったから。


空港でレンタルした車でまずお花屋さんに

向かったが今日が日曜日という事で、

お花屋さんが休みだった。

そしてお花屋さんは島でここ1件だけだしね。

時間はもう夕方だし、添えるお花はまた明日に

してとりえずいっ君のいるお墓に向かう。


そしてお墓について漠然とした。


お墓はずいぶんと荒れていた。

というよりまったく手入れが

されてなく、至る所に草も沢山生えていて

もう何年も誰も来ていなく、崩れかけてる

ようなお墓もあった。


いったいどうしたんだろう

この4年間の間にいっ君の家族はどこかに

引っ越してしまったのか。それとも家族にも

何かあったのか。


嫁ちゃんは

どしたの?黙って立ち尽くして。ってか

 本当にここ?なんか不気味な感じだよ

初めてみる人でも様子が違うのが

分かるくらいって状態だ。


俺:「たしかにここってのは間違いない。

   これ、前回ここから撮った景色だよ


いっ君のお墓は何件か並んでいて奥から

手前のこの場所でここからの景色は右に

赤い屋根の家があり、その先に青い海が

広がって見えるとても景色のいい場所だ。

そこから撮った1枚の画像を見せて、

同じ場所から見て二人で手で構図作ったり

して確認したけどやっぱり間違いなく、

この景色なのだ。


嫁ちゃん:「これって、なんかあったんじゃないの?」

     「様子が普通じゃないじゃん、沖縄のお墓

      なんて初めてみるけど、誰が見たって

      数年は誰も来ていないくらい分かるよ。


俺の頭の中では色々な想像をする。

いっ君の家族に何かあったのか

家族ごと今はどこかに引っ越してしまったのか

それとももっと別の何かが


嫁ちゃん:「いっ君の家知ってるんでしょ?

      もう訪ねて聞きに行こうよ?


俺   :「いやいや、どのツラ下げて今更行くんだよ。

      あの日、お母さんは口も聞いて

      もらえなかったぜ。もしかしたら

      最後一緒いた俺なんか恨まれてるかもだし

      そうじゃなかったとしても辛い過去を

      突然来ていきなり思い出させる事になるんだぜ。

      そんな事できねーよ。


嫁ちゃん:「う~ん、それは考え過ぎじゃない?

      当時は悲しみの方が強いからそれはあるかも

      だけどね、私いっ君知らないけど、育ちとか

      人柄を聞いてる限りそんな風に考える両親じゃないと

      思うけどな。もしそうだったとしても、

      私はここまできて何も知れず何も出来ないの

      はもっと嫌だけど。


もちろん頭では分かってるけど、正直訪ねるのは

やっぱ恐い。なかなか勇気が出ないよ。

けど嫁ちゃんの言う事がが正しいと思うのも事実。


よし、覚悟を決めよう。ゆきちゃんだって、今も

働いてくれてる訳だし、俺をここまで支えてきた

嫁ちゃんもついてるし恨まれてるってのは俺の

考え過ぎだよな。 


意を決して訪ねる事にした。



story.41に続く

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